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関西建設アスベスト大阪2陣・3陣訴訟、屋根工などについても国との和解成立

2021.11.04

国との和解

2021年11月4日、関西建設アスベスト大阪2陣・3陣訴訟について、大阪地裁で国との和解が成立しました。

8月5日の北海道建設アスベスト1陣訴訟の和解以降、各地で基本合意に基づく国との和解が続々と進んでいますが、今回の大阪2陣・3陣訴訟の和解対象には、スレート屋根工、防水工、水道管配管工など、一見すると屋外作業と分類されそうな被害者が含まれています。


以下は、大阪アスベスト弁護団のホームページからの転載です。

屋根や外壁に使用するスレート波板は、大きくて重いので地上で切断・加工することが一般的です。また、ほこりや騒音で近所迷惑にならないよう、工場や車庫など屋内で作業することもよくあります。屋根工だからといって、必ずしも屋外だけで作業するわけではありません。


また、防水工は、屋上などの防水工事自体からではなく、屋上等に行き来する際に吹付作業の現場を通ったり、漏水調査をする際に吹付材から石綿粉じんにばく露しました。


さらに、今回、(「建築」ではなく)「土木」工事である水道管配管工についても和解が成立しました(大阪2陣訴訟では、すでに温泉管配管工についても和解が成立しています)。最高裁は、「屋根があり半分以上が外壁で囲まれた」場所を屋内作業場と定義し、屋外作業については予見可能性がなかったとしました。この点、道路を掘削して水道管や温泉管を配管する工事現場に屋根はありませんが、狭い穴の中はものすごい粉じんばこもります。国は、「屋外作業」を形式的に見るのではなく、救済を図る立場から、作業実態に即して柔軟な判断をしていると考えられます。


今後、建設アスベスト給付金制度の運用においても、このような作業実態に即した柔軟な判断が求められます。