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佐伯一麦著『アスベストス』(文藝春秋)

2022.01.14

関連情報

作家・佐伯一麦さんが、アスベスト被害を描いた連作小説『アスベストス』を刊行しました。

帯文は「何で自分が?石綿(アスベスト)によって奪われた平穏な人生」。

ご自身の電気工の体験に基づく、建設現場での石綿粉じんばく露の実態やアスベストによる体調不良・不安もリアルに書かれています。

佐伯一麦さんのノンフィクション『石の肺 僕のアスベスト履歴書』(岩波現代文庫)には次のような一文があります。「思い返せば、自分が電気工をしていたときに出会った職人のひとたちは、言葉で表現するのが苦手でした。この社会が成り立っていくためには、誰かが危険な仕事に携わらなければなりません。そうだとしたら、そうした労働の現場の実際も誰かが書かなければいけない。それは、そうした経歴を経て作家となった自分の仕事なのではないだろうか、とぼくは思い始めるようになりました。」

佐伯さんの作品を通じて、アスベスト被害への理解・関心が高まることを願ってやみません。

○読売新聞 書評:『アスベストス』佐伯一麦著(文芸春秋) 1980円

○毎日新聞 書評:持田叙子・評 『アスベストス』=佐伯一麦・著

○文藝春秋BOOKS 作品紹介:アスベストス 佐伯一麦