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首都圏建設アスベスト神奈川2陣訴訟も、最高裁で建材メーカーの責任確定(声明)

2022.02.11

建材メーカー訴訟

2022年2月9日、最高裁第2小法廷に係属していた首都圏建設アスベスト神奈川2陣訴訟について、建材メーカー3社(ニチアス、エーアンドエーマテリアル、ノザワ)の責任が確定しました。

これにより建材メーカーの賠償責任を高い水準で認めた東京高裁判決が確定し、多くの原告・被害者の勝訴が確定しました。


建設アスベスト神奈川第2陣訴訟・上告不受理決定を受けた声明(2022年2月10日)(pdf)

なお、解体作業に従事していた被害者との関係では、3月28日午後3時に弁論が開かれる予定です。


建材メーカーは、最高裁の判断を真摯に受け止め、早期に被害者に謝罪し、全面解決を決断するべきです。 私たちは、建材メーカーも含めた基金制度の創設へ向けて、今後も全力を尽くします。

〇産経新聞:建設アスベスト訴訟 神奈川2陣でメーカーの責任確定(外部リンク)



建設アスベスト神奈川第2陣訴訟・上告不受理決定を受けた声明

2022年2月10日

建設アスベスト訴訟全国連絡会

建設アスベスト訴訟神奈川原告団

建設アスベスト訴訟神奈川弁護団

神奈川県建設労働組合連合会

1(ニチアス、A&A、ノザワの損害賠償責任の確定)

 建設現場における作業を通じて石綿粉じんに曝露し、中皮腫や肺ガンなどの石綿関連疾患を発症した被災者及びその遺族が、国と石綿含有建材製造企業(以下、「建材メーカー」という。)を訴えていた建設アスベスト神奈川第2陣訴訟について、最高裁判所第2小法廷は本年2月9日付で、原告57名(被災者単位38名)との関係で、ニチアス、A&A、ノザワの上告受理申立を不受理とする決定をした。これにより、ニチアス、A&A、ノザワの損害賠償責任が確定するに至ったことになる。

 同時に最高裁は、主に解体作業に従事した原告5名(被災者単位4名)との関係で、ニチアス及びA&Aの上告受理申立を受理し、本年3月28日15時から口頭弁論期日を開くとした。

2(上告不受理決定の意義)

 今回の上告不受理決定で確定した原判決は、東京高等裁判所第20民事部(村上正敏裁判長)が、2020年8月28日に言渡したものである。同判決は、国及び建材メーカー3社の損害賠償責任を認めただけでなく、建材メーカー3社の損害賠償責任を損害全体の4分の3の範囲で認めたものであった。

 最高裁は、解体作業に従事した原告5名(被災者単位4名)との関係では、ニチアス及びA&Aが申立てた上告受理申立を受理し、本年3月28日15時から口頭弁論期日を行うとの決定をした。もっとも、それ以外の原告との関係では、建材メーカー3社の上告受理申立を不受理とし、4分の3の範囲で損害賠償責任を認めた原判決を確定させたことは、建材メーカーの損害賠償責任を高い水準で認めたものとして、評価することができる。

3(建材メーカーらの責任)

 この間、国は、昨年5月17日に言渡された最高裁判決を真摯に受け止め、菅首相自ら、原告らに対し直接謝罪したうえで、基本合意を締結し、訴訟係属中の原告らとの和解と、未提訴の被災者に対する給付金制度の創設による救済に踏み出した。

 これに対して、建材メーカーらは自らの利益追求のために、石綿の危険性を十分に周知することをしないまま、大量の石綿含有建材を製造、販売することを長年にわたって続けてきた。このような直接の加害行為を行ってきたことを理由とする、重大な責任が最高裁判決で断罪されたにもかかわらず、建材メーカーらは、原告らに対する謝罪はおろか面会も拒否し、訴訟係属中の事件についてはさらに争う構えを示し、国が創設した給付金制度についても、基金への拠出と参加を拒否している。

 しかし、建材メーカーをめぐっては、先行する神奈川、京都、大阪の1陣訴訟に加え今般の最高裁の決定で、その責任はもはや争いの余地がないものとなっているのである。

4(最後に)

 我々は、建材メーカーらに対し、今回の最高裁による上告不受理決定によって、ニチアス、A&A、ノザワの損害賠償責任が4分の3の範囲で認められたことを真摯に受け止め、まず何よりも各社の代表者が自ら、原告らに対し直接謝罪したうえで、訴訟係属中の事件について和解すること、そして国の創設した給付金制度に参加して、基金への拠出を決断することを強く求めるものである。

 また、国に対しても、今般の最高裁決定を機に、建材メーカーらに対し、給付金制度に参加し、基金への拠出を行うよう、強力に働きかけることを求めるものである。

以 上