2022.12.20
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2022年12月14日、厚生労働省は「令和3年度石綿ばく露作業による労災認定等事業場」を公表しました。
○厚生労働省のホームページ「令和3年度石綿ばく露作業による労災認定等事業場」を公表します
仕事でアスベストを吸って肺がんや中皮腫、石綿肺などを発症・死亡し、令和3年度に労災認定(石綿救済法に基づく特別遺族給付金認定(労災時効救済)を含む)された被災者は1106人でした。
毎年約1000人が労災認定されており、昨年度までの累計は約2万人に上ります。
アスベストによる労災認定者のうち建設業の割合は年々増えており、令和3年度は建設業が680人(61.5%)でした。
石綿を使用した建物の解体作業は今後も続くため、建設業のアスベスト被害が増えることが懸念されます。
昨年度は、労災の認定件数は前年とほぼ同程度でしたが、請求は2割増えて1278件となりました。
これは2021年5月に最高裁が国と建材メーカーの責任を認めたこと、国が建設アスベスト給付金制度を創設したこと、また、国が給付金請求の前提として労災認定を受けることを勧めていることなどが影響していると考えられます。
もっとも、石綿による肺がんや石綿肺など、石綿関連疾患が適切に診断されず、補償・救済から漏れている被害者が数多くいると思われます。
過去に建設現場で働いた方や、石綿の保温材・断熱材を取り扱った方などで、石綿の病気になった方は、お気軽にご相談ください。
○朝日新聞:アスベスト健康被害、約1千人の労災認定 昨年度、請求は増加
○共同通信:石綿被害の事業所名公表、厚労省 21年度の労災認定
○NHK:アスベストで労災認定 昨年度は1075人 11年連続1000人超