2025.06.23
建材メーカー訴訟
2025年6月18日、建設アスベスト埼玉訴訟(さいたま地裁)が結審しました。
埼玉訴訟は2020年4月に提訴、その後追加提訴を重ね、被害者は65名。
建材メーカーとの争いのほか、被害者2名との関係で国が和解を拒否している事件が係属中です。
結審期日では、原告代表2名と弁護士3名が意見陳述。
東京高裁での和解協議の現状等も述べたうえ、さいたま地裁にも早期の和解解決を求めました。
裁判長からは、「提訴から5年を経過し、裁判所としても早期解決の重要性を認識している」「然るべきタイミングで、裁判所から和解を勧告する予定」との発言がありました。判決日は追って指定とされました。
さいたま地裁では、判決を準備しつつ、東京高裁などの和解協議の状況を見ながら、地裁段階では初めての具体的な和解勧告がなされる可能性があります。
○本人原告Oさん(クロス工)の意見陳述要旨
・抗がん剤治療で骨と皮だけになりました。もう二度と体験したくありません。もう一度やれと言われても耐えられません。
・肺を3分の2切除して後遺症が残り、仕事も満足にできないのに、手術が成功したとして労災支給が打ち切られてしまいました。生活は苦しく、切除していない肺にもアスベストはたくさん残っています。この先どうなるか不安でいっぱいです。
・提訴時にはたくさんいた本人原告が10人以上も亡くなりました。存命の原告も体調が悪く、意見陳述できるのは私しかいません。私たちは何か悪いことをしたでしょうか。
○遺族原告Kさんの意見陳述要旨
・夫(当時存命)は第1回期日で意見陳述し「私が生きているうちに、被告からの誠意ある謝罪の言葉を聞きたいです。当たり前だった日常が突如奪われてしまうことの悲しみ、絶望感、あきらめの気持ちを想像してみてください。被告には私たちの命や健康な生活を奪った責任を、真摯に受け止めていただきたいと思っています」と述べました。
・夫の願いは叶いませんでしたが、面倒見の良い夫のことなので、他の被害者のために今も祈っていると思います。一刻も早い解決を願ってやみません。