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東京2陣訴訟・東京高裁も不当判決(声明)

2026.05.28

建材メーカー訴訟

2026年5月28日、東京高等裁判所第17民事部(吉田徹裁判長)は、首都圏建設アスベスト東京2陣訴訟について、解体作業や屋外作業等に従事した被災者15名について、建材メーカーの請求を否定する判決を言い渡しました。


東京高裁が建材メーカーの責任を否定した職種は、解体工、とび、鉄骨工、はつり工、屋根工(板金工)などです。


京都2陣訴訟(大阪高裁)と同様、原告側は、解体作業、屋外作業についても、建材メーカーが責任を負うべき証拠を積上げてきました。

ところが、東京高裁もそれらを無視・軽視し、最高裁判決を無批判に踏襲して被害者の救済を拒んでいます。

事実に目を背け、思考停止に陥った判決であり、極めて不当です。


声明-建設アスベスト東京2陣訴訟東京高裁判決-(pdf)


声   明

-建設アスベスト訴訟東京2陣東京高裁判決-

1 本日、東京高等裁判所において、建設アスベスト東京2陣訴訟(第17民事部・裁判長 吉田徹裁判官)の判決が言い渡された。これは、2025年8月7日に成立した和解に至らなかった、改修解体作業者及び屋外作業者である原告18名(被災者15名)に関する判決である。

2 本判決は、改修解体作業について建材メーカーの注意義務違反を認めず、改修解体作業者(解体工・鳶・鉄骨工・はつり工)である一審原告14名の請求を棄却した。また、屋外作業者(板金工等4名)についても、建材メーカーの予見可能性を否定し、一審原告全員の請求を棄却した。

3  首都圏建設アスベスト訴訟では、多数の被災者による原告団、原告弁護団、支援組織が団結し「謝れ、償え、なくせ、アスベスト被害」を掲げて長年にわたり取り組んできた。最初の東京1陣訴訟を、2008(平成20)年5月16日、国及び建材メーカーらを被告として東京地裁に提訴し、2021(令和3)年5月17日に最高裁判決が言い渡された。同日、神奈川1陣、大阪1陣、京都1陣訴訟についても最高裁判決(以下「令和3年最高裁判決」という。)が言い渡され、国の責任が確定するとともに、主要な建材メーカーの共同不法行為責任が認められ、建材メーカーが責任を負う基準が示された。国については、裁判を経ずに被害者を補償する建設アスベスト給付金法が成立し、現在までに約9千名の被害者に給付金が支給されている。

4  一審原告らは、東京2陣訴訟を、2014(平成26)年5月15日、国及び建材メーカーらを被告として東京地裁に提訴した。東京地裁は、2020(令和2)年9月4日、原告らの請求を一部認容し、国及び建材メーカーらの責任を認める判決を言い渡した。同地裁判決では屋外作業に従事した被災者についても救済を認めた。双方が控訴したが、国は令和3年最高裁判決を受け、1名を除いて原告らと和解した。その後、東京高裁は、2025(令和7)年1月31日、建材メーカーに対し和解案を提示し、同年8月7日、一審原告131名(被災者112名)のうち114名(被災者98名)と一審被告5社(ニチアス、太平洋セメント、A&AM、MMK、ノザワ)が謝罪して和解金(総額約11億円)を支払う内容の和解が成立した。同日、東京1陣でも和解が成立しており、これにより、全国で最大規模の東京1陣・同2陣の建設アスベスト訴訟において、上記一審被告17社と一審原告合計446名(被災者351名)との間で和解が成立したことは、画期的な成果であった。

 しかし、東京1陣訴訟の改修解体作業者である原告40名(被災者32名)及び、本訴訟である東京2陣訴訟の改修解体作業者・屋外作業者である原告17名(被災者14名)については、いずれも高裁判決が言い渡されることとなった。本判決は、その東京2陣訴訟に関するものである。

5  屋外作業者については令和3年最高裁判決が、改修解体作業者については2022(令和4)年6月3日の神奈川2陣訴訟最高裁判決(令和4年最高裁判決)が、それぞれ建材メーカーの注意義務を認めない判断を示した。しかし、これらの最高裁判決は、下級審における限定的な事実認定を前提とし、かつその評価も誤ったものであり、極めて不当な判断である。

屋外作業について、令和3年最高裁判決は、平成16年以前に屋外での石綿粉じんの測定結果がないことを理由に、予見可能性を否定した。しかし、屋外作業であっても、屋根材や外装材を切断・加工すれば石綿粉じんが飛散し、作業者がばく露する危険があることは早くから指摘されていた。NHKの報道番組でもその危険性は報じられており、屋根材・外装材を扱う屋外作業の危険は予見可能であった。改修解体作業については、令和4年最高裁判決は、建材に石綿の危険性をラベルや刻印等で表示しても、長期間の経過後に行われる改修・解体時には劣化などにより表示が消えるため、表示等をしても結果を回避できないとした。しかし、実際には20年、30年以上が経過しても、建材メーカーが刻印等で表示した製品番号やメーカー名が建材に残っているのが常態である。

一審原告らは、これらの点を本控訴審にて立証したにもかかわらず、東京高裁は提出された証拠を信頼性が限定的であるなどと軽視し、上記両最高裁判決を無批判に踏襲して被害者の救済を拒んだ。極めて不当な判決である。

6  一審原告らは、本判決に対して上告及び上告受理申立てを行い、最高裁においてその誤りの是正を求める。先般、21日に言い渡された京都2陣訴訟の大阪高裁判決も、屋外工及び改修解体作業者について建材メーカーの責任を否定したが、同訴訟でも最高裁への上告及び上告受理申立てが表明されている。今後は、新たな立証がなされた東京地裁の東京3陣訴訟及びさいたま地裁の判決も予定されている。さらに、神奈川3陣訴訟の東京高裁での審理をはじめ、全国で改修解体作業及び屋外作業に関する建材メーカーの責任を問う訴訟が係属している。私たちは、全国の原告らとともに、今後も被害の拡大が確実視される改修解体作業及び屋外作業について、建材メーカーの責任を明らかにするため、取り組みを一層強める決意である。

2026年5月28日

首都圏建設アスベスト東京2陣訴訟原告団

首都圏建設アスベスト訴訟弁護団

首都圏建設アスベスト訴訟統一本部