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京都3陣訴訟、建材メーカー4社の責任認める京都地裁判決(声明)

2026.09.30

建材メーカー訴訟

2026年9月25日、京都地裁第2民事部(菊井一夫裁判長)は、関西建設アスベスト京都3陣訴訟の被害者13名について、建材メーカー5社(エーアンドエーマテリアル、太平洋セメント、ニチアス、ノザワ、エム・エム・ケイ)の責任を認める判決を言い渡しました。


本判決は、本年7月17日に和解により解決した1名を除く被害者15名に対する判断です。


この間、東京3陣、京都3陣、埼玉1陣の各訴訟において、地裁段階での和解が成立していますが、本訴訟では一部の被告建材メーカーが和解を拒否したために、本判決に至ったものです。


被告建材メーカーには、命あるうちの解決を求める被害者の声に応えて、早期和解解決に応じるよう強く求めます。


○京都新聞:アスベスト京都第3陣訴訟、13人に1億2900万円支払い命令 京都地裁判決

○産経新聞:石綿被害1億円超賠償命令 建材メーカー5社に、京都地裁

○MBS:建設現場でアスベスト吸い肺がんなど発症…建材メーカー5社に1億2900万円支払い命令「この判決は貴重な礎」

○毎日新聞:石綿訴訟・地裁判決 1億2896万円、賠償命令 5社に共同責任 /京都


○京都3陣・京都地裁判決に対する声明(pdf)


関西建設アスベスト京都3陣訴訟・京都地裁判決に対する声明

1 本日、京都地方裁判所第2民事部(菊井一夫裁判長)は、関西建設アスベスト京都3陣訴訟において、本年7月17日に成立した原告1名と被告建材メーカーとの和解から外れた原告21名(被害者15名)中、原告19名(被害者13名)との関係で被告建材メーカーの責任を認め、被告16社のうち5社に対し総額1億2896万4000円の支払いを命じる原告勝訴判決を言い渡した。

  本訴訟は、建設現場でアスベスト含有建材から生じた粉じんにばく露し、肺がん及び中皮腫に罹患した建築作業従事者とその遺族が、アスベスト建材の製造販売メーカーに対し賠償を求めた訴訟である。被害者16名のうち、既に9名が死亡(提訴後死亡者5名)という現実が物語るように、その被害は極めて深刻である。

  2026年1月21日には、判決に先立ち、裁判所から、有責5社が被害者14名に対し、総額1億6900万円余りの和解金を支払う旨の和解案が提示されたにも関わらず、一部の被告が不当にも和解を拒否したために、1名の原告(被害者)を除いて和解が成立せず、本日の判決に至ったものであるが、早期解決に背を向ける被告建材メーカーらの態度は厳しく指弾されなければならない。

2 本日の判決は、2021年5月17日の最高裁判決において示された判断、すなわち建材メーカーらには警告表示義務違反があり、各被害者毎に職種や時期、建物の種類等によって特定されたアスベスト含有建材のうち概ね10%のシェアのある建材は被害者らの現場に到達していた蓋然性が高いとして、当該建材の製造販売メーカーらは民法第719条1項後段の類推適用による共同不法行為責任を負うとの判断を前提に、建材メーカー5社(エーアンドエーマテリアル、太平洋セメント、ニチアス、ノザワ、エムエムケイ)について、昭和50年4月1日~平成18年8月31日までの警告義務違反の責任を認めたものである。  

  本判決において、シェアによる現場到達が認められた建材と被告メーカーは、建材番号②吹付けロックウール(太平洋セメント)、同⑮スレートボード・フレキシブル板(A&AM,MMK)、同⑯スレートボード・平板(A&AM)、同⑰スレートボード・軟質板(A&AM)、同⑱スレートボード・軟質フレキシブル板(A&AM・ノザワ)、同㉓けい酸カルシウム板第1種(A&AM,ニチアス、MMK)、同㊸混和剤(ノザワ)である。

  本判決が、広範な作業を行ってきた手元作業員の救済を認めたこと、②吹付けロックウールについての太平洋セメントの主張を排斥して同社の責任を明確に認定したこと、各種スレートボードのシェアを種類別に認定して軟質フレキ板に関するノザワ・A&AMの責任を認めたことなどは積極的に評価できる。

3 他方で、本判決が解体工1名とガス配管工1名の救済を否定したこと、外装材について屋内加工が一般的とは認められないとして予見可能性自体を否定したこと、吹付材の危険性に関する予見可能性の成立時期を昭和50年以降に限定したこと等は誤りであり、克服されるべき課題である。

 本判決は、死亡被害者について2600万円の基準慰謝料額を認めたが、さらに高額の基準慰謝料額を認容した判決もあり、決して十分な水準とは言えない。

 また、本判決は、有責企業の基本的な寄与度を、45%~50%と判断した上で、解体作業歴がある者についてはさらに一律10%減額を行った。神奈川第2陣訴訟において、有責企業の責任割合を基本4分の3とする東京高裁の判断を最高裁が維持した例もあり、本件において有責とされた企業がいずれも建材メーカーの中でも高いシェアを有し、建材メーカーの先頭に立ってアスベスト被害を拡大してきた経過を考えれば、本判決が認定した寄与度は十分とはいえない。

4 被告建材メーカーは先の最高裁を含めて幾度も敗訴判決を受けてきたにもかかわらず、無益な争いを続けてきた。そうした中、本年6月26日に東京3陣訴訟で全国初の地裁段階での和解が成立し、本年7月17日に京都地裁で京都3陣の和解成立、本年8月6日にさいたま地裁で埼玉1陣の和解が成立した。命あるうちの解決を求める被害者の声に応えて、そうした流れを加速するために、被告建材メーカーには全国の同種訴訟において早期和解解決に応じるよう強く求める。また本判決により加害責任が認定された被告メーカーはその事実を真摯に受け止めて、控訴することなく直ちに謝罪と補償に応じるべきである。

 また、本判決では有責とされなかった建材メーカーも、深刻なアスベスト被害をもたらすことを知りながら、被害防止措置を講じないまま、アスベスト含有建材の製造・販売を続けてきたことにかわりはない。アスベスト建材を製造販売したすべての企業はその責任を自覚し、速やかに全面解決のための基金制度創設に踏み出すべきである。

5 建設現場で等しく働き、等しく被災した建設作業従事者らは、全て等しく救済されるべきであり、救済に線引きは無用である。私たちは、本判決を受けて、あらためて全国の被害者、支援者、および市民と連帯して、全てのアスベスト被害者の早期完全救済と被害根絶のため、全力を尽くす決意である。

                                 以上

           2026年(令和8)年9月25日                

               関西建設アスベスト京都訴訟原告団・弁護団

関西建設アスベスト訴訟統一本部

全京都建築労働組合(京建労)