2025.12.25
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2025年12月16日、東京地方裁判所において、建設アスベスト給付金の減額処分は違法として取消しを求めた訴訟で、原告勝訴の判決が言い渡されました。
被害者は、吹付作業や大工作業、解体工事などに従事し、肺がんを発症して労災認定され、建設アスベスト給付金を請求。
給付金は認定されたものの、建設作業に従事した期間が10年(国の責任期間)に満たないとして10%減額されてしまったため、取消訴訟を提起していました。
建設アスベスト給付金法1条は、「国の責任が認められたことに鑑み、これらの判決において国の責任が認められた者と同様の苦痛を受けている者について、その損害の迅速な賠償を図るため」の制度であるとしています。
これを受け、認定審査会の審査方針は、「具体的な判断にあたっては、特に就労歴や喫煙の習慣等について、その立証が容易でない場合も想定されるので、同種事件の裁判例も踏まえて、関係者の証言や申述等の内容が、当時の社会状況や被災者が置かれていた状況、収集した資料等から考えて、明らかに不合理でない場合には柔軟に事実を認定する」としたうえ、一般的に屋内作業があるとされている職種を列挙して、これらの作業に従事した者は「屋内作業に従事していたと判断できるものとする」としています。
ところが、この審査方針にしたがった事実認定がなされず、請求者に不当に厳格な証明を求めたうえ、不認定とされる事例が多発しています。
今回の判決は、給付金制度が、建設アスベスト給付金最高裁判決等で国の責任が認められたことに鑑みて制定された経緯や、損害の迅速な賠償を図ることを目的とした制度趣旨に照らすと、審査方針の内容は「合理的なものといえる」とし、審査方針にしたがった柔軟な事実認定をしています。
国は、今回の判決を真摯に受け止め、控訴せずに速やかに給付金減額分を支払うべきです。
また、審査方針にしたがった事実認定を行うよう、厳しすぎる運用を見直すべきです。
○北海道新聞:石綿給付金の減額は不当 東京地裁が全国初の処分取り消し 釧路の男性勝訴
○共同通信:石綿給付減額初の取り消し 厚労省処分、違法と判断