厚生労働省との継続協議（建設アスベスト給付金制度の運用等）

2023年9月25日、私たち「建設アスベスト訴訟全国連絡会」と国とが締結した基本合意書に基づき、建設アスベスト給付金制度の運用等に関する厚生労働省との事務折衝を行いました。

建設アスベスト訴訟の最高裁判決後、すでに5000人を超える方が建設アスベスト給付金制度による認定を受けていますが、まだまだ多くの方が審査待ちで、申請から認定まで半年以上かかっています。

私たちは、被害者や遺族の実情を説明し、よりスムーズな認定、審査の簡素化を要請しています。

また、基本合意書では、①石綿被害を発生させないための対策、②石綿関連疾患の治療・医療体制の確保、③被害者に対する補償に関する事項について、国と「建設アスベスト訴訟全国連絡会」とが継続的に協議を行うことも約束しています。

このうち、①中皮腫患者等の治療方法の開発などの予算として、厚労省は、従来の2500万円を1億2500万円に増額する方針を示しました。

基本合意で継続協議が約束されている③被害者に対する補償に関する事項として、建設アスベスト給付金制度への建材メーカーの参加・拠出を含めた検討についても、早期に進める必要があります。

■建設アスベスト給付金制度の運用状況等は以下のとおりです（いずれも2023年7月末時点）。

1　労災情報提供サービスの運用状況

○労災情報提供サービス申請書の受付件数：7947件

○労災情報提供サービス申請者への回答件数：7768件

　　うち情報提供した件数（該当）：6474件【約83％】

　　うち情報提供しなかった件数（非該当・情報なし）：1294件【約17％】

○取下げ件数：123件

2　給付金請求の運用状況

○給付金請求書受理件数：8659件

　　うち通常請求受理件数：2672件【約31％】

　　うち労災情報提供サービス利用者請求受理件：5961件【約69％】

　　うち追加請求受理件数：26件

○給付金認定件数：4608件

　　うち通常請求の認定件数：139件【約3％】

　　うち労災情報提供サービス利用者請求の認定件数：4469件【約97％】

○取下げ件数：803件

3　建設型アスベスト国賠訴訟の和解状況

○提訴件数：749名（うち基本合意書別紙の対象者：606名）

○和解件数：694名（うち基本合意書別紙の対象者：584名）

○係属件数：55名（うち基本合意書別紙の対象者：22名）

※2023年7月末時点で、国との間で解決した被害者は合計5706名（確定判決：404名、和解成立：694名、給付金認定：4608名）に上ります。