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中皮腫死亡、累計3万人を超え、今後も増加

2023.10.03

関連情報

フリージャーナリストの井部正之記者が、2023年9月15日に厚生労働省が発表した人口動態統計(確定数)のデータを集計した記事を発表しています。


○アジアプレス・ネットワーク:「ほぼアスベストが原因」の中皮腫死、ついに3万人超過 「引き続き増加傾向」と国も認める


記事によると、1995年から2022年までの中皮腫による死亡者数は累計3万1402人。

ここ数年は毎年1500人超が中皮腫で亡くなっています。

増加傾向は年々強まっており、国の推計でも今から約30年後まで被害が発生し続けます。


イギリスは、日本よりアスベスト使用の開始も禁止も早いのですが、そのイギリスでは、2016年に中皮腫死亡がピークとなり(2606人)、2021年までの累計は約7万2000人と日本の2倍以上。

アスベストの使用量や過去の規制の遅れ、さらには建物解体・改修時における現在の規制の不十分さ(イギリスの15~20年遅れ)を比較すると、日本はイギリスより被害が大きくかつ長期化する可能性があると指摘されています。


中皮腫で亡くなった3万人には、アスベストによって理不尽に奪われた1人1人の人生があります。

せめて今後の新たな被害を防止するため、建物解体・改修時の規制を早急に強化するとともに、中皮腫の治療研究を推進することが急務です。