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北海道建設アスベスト4陣訴訟、札幌地裁で勝訴判決(声明)

2025.09.23

建材メーカー訴訟

2025年9月18日、札幌地方裁判所第3民事部(小野瀬昭裁判長)は、北海道建設アスベスト4陣訴訟について、建材メーカー3社(エーアンドエーマテリアル、太平洋セメント、ニチアス)の責任を認める判決を言い渡しました。


被告建材メーカーらは、本訴訟においても、速やかに責任を認めて被災者に謝罪し、早期に和解解決すべきです。

声明(北海道建設アスベスト第4陣訴訟札幌地裁判決について)(pdf)

                         
2025(令和7)年9月18日

声     明

北海道建設アスベスト第4陣訴訟札幌地裁判決について


北海道建設アスベスト訴訟原告団

                     北海道建設アスベスト訴訟弁護団


1 本日、札幌地方裁判所(民事第3部 小野瀬昭裁判長)は、北海道建設アスベスト第4陣訴訟において、原告17名(被災者単位14名)中、16名(被災者単位13名)のアスベスト被害について、その職種等に応じて株式会社エーアンドエーマテリアル、太平洋セメント株式会社、ニチアス株式会社の合計3社のうち、1社以上の責任を認める判決を言い渡した。

2 本判決は、2024年9月20日の北海道建設アスベスト第3陣訴訟札幌地裁判決に続き、アスベスト含有建材を製造・販売した建材メーカーの共同不法行為責任を認めた2021年5月17日最高裁判決を踏まえて、アスベスト含有建材について10%以上のシェアを有する被告建材メーカーらの責任を明確にし、被災者単位13名を救済したものでありその意義は大きい。

3 また、本判決は、死亡した被災者について最高額2700万円を損害基準金額とするなど、全体として全国の訴訟の判決で示された基準を上回る金額を賠償基準額としており、この点は評価できる。

4 他方、本判決は、1名の原告について、被告建材メーカーらの製造販売した建材の到達が認められないとして請求を棄却した。

しかし本件の被災者は、いずれも長期間にわたり、建設作業の現場において、被告建材メーカーらが製造販売した建材に含まれる石綿に暴露したことは明らかであるから、かかる判断は不当であり、原告らとしては受け入れることはできない。

5 また有責とされた企業の基本となる責任割合について、①石綿暴露期間の観点、②他の企業による寄与の観点の両面から有責企業の責任割合を一定減じているが、本件において有責とされた企業がいずれも建材メーカーの中でも高いシェアを有し、建材メーカーの先頭に立ってアスベスト被害を拡大してきた経過を考えれば、本判決が認定した責任割合は十分とはいえない。

とりわけ、①の観点において、被告建材メーカーらの有責期間(昭和50年~平成16年)以外の時期にもアスベスト暴露期間があることを理由に、減額したことは容認できない。

後記の東京高裁において、有責期間外のアスベスト暴露による減額を認めず、責任期間内におけるアスベスト暴露の期間が比較的短い被災者でも最大1割を減ずるに止める内容で和解が成立していることからしても、不当な判断といわざるをえない。

6 さらに、屋外作業または解体作業の職歴を有する被災者について、建材メーカーらの責任を否定し、その職歴に対応して賠償額の減額を行っているが、屋外作業でも大量のアスベスト粉じんに暴露することは予見可能だったのであり、また解体作業についてもアスベストの危険性を周知することは十分可能だったのに、建材メーカーらがこれを怠ったことは明らかであるから、この点での判断は極めて遺憾である。

7 本判決により前記3社の建材メーカーらの責任はあらためて明確にされた。

既に報道されているとおり、本年8月7日には、東京高裁において、首都圏アスベスト東京第1陣訴訟(被災者単位253名)および同第2陣訴訟(被災者単位98名)の原告と、被告建材メーカー7社(2陣については5社)との間で、被告建材メーカーが原告らに謝罪し損害賠償金を支払う内容の和解が成立し、翌8月8日にも、大阪高裁において関西建設アスベスト大阪第2・3陣訴訟の原告(被災者単位67名)と被告建材メーカー12社(ノザワ、エーアンドエーマテリアル、エム・エム・ケイ、ニチアス、太平洋セメント、日本インシュレーション、パナソニック、日東紡績、大建工業、神島化学工業、日鉄ケミカル&マテリアル、積水化学工業)との間で、同様の内容の和解が成立した。

被告建材メーカーらは、上記和解により、全国の建設アスベスト訴訟において(一部個別事案を除き)、自らの責任を認め、原告らとの間で、はじめて和解解決をしたが、本訴訟においては、未だに和解解決にも応じていない。

本訴訟を含む全国の建設アスベスト訴訟において、速やかに責任を認めて被災者に謝罪し、早期に和解解決すべきである。

8 なお、前記東京高裁の和解においては、これまで共同不法行為責任が認められなかった建材メーカー12社(ナイガイ、日東紡績、神島化学、日本インシュレーション、バルカー、AGC、大建工業、日鉄ケミカル&マテリアル、ウベボード、クボタ、ケイミュー、ニチハ)も、被災者に「弔意」と「お見舞い」を表明して和解に名を連ねた。

これまで有責とされなかった建材メーカーらにおいても、自らの製造販売した建材が、建設作業者のアスベスト被害の一因となった可能性が十分あることを踏まえてのことと評価される。

既に、国は、建設アスベストの被害者救済のため2022(令和4)年2月から給付金制度を開始したが、有責と判断された3社はもとより本件判決において責任が認められなかった建材メーカーらにおいても、速やかに建材メーカーらが加わったアスベスト被害救済のための基金制度創設に応じるべきである。

9 われわれ北海道建設アスベスト訴訟原告団・弁護団は、本判決を受けて全国の被災者、労働者、市民と連帯し、建設アスベスト被害者の早期完全救済とアスベスト被害の根絶のため、全力を尽くす決意をあらたにするものである。

          以上