2026.03.17
建材メーカー訴訟
2026年3月13日、横浜地方裁判所第8民事部(中山雅之裁判長)は、建設アスベスト東日本1陣訴訟について、建材メーカー4社(エーアンドエーマテリアル、ニチアス、ノザワ、エム・エム・ケイ)の責任を認める判決を言い渡しました。
被告建材メーカーらは、本訴訟においても、速やかに責任を認めて被災者に謝罪し、早期に和解解決すべきです。
○建設アスベスト東日本被害救済弁護団1陣訴訟 弁護団声明(pdf)
建設アスベスト東日本弁護団1陣訴訟横浜地裁判決に関する声明
2026年3月13日
東日本アスベスト被害救済弁護団
1 (判決の結論)
横浜地方裁判所第8民事部(中山雅之裁判長)は、本日、建設アスベスト東日本被害救済弁護団1陣訴訟(以下、「東日本1陣訴訟」という。)の判決言い渡しを行った。
判決は、原告41人(被災者単位32名)のうち、原告29名(被災者単位23名)の請求を一部認容し、ニチアス、エーアンドエーマテリアル、ノザワ、エムエムケイに対し、総額2億4822万8886円の損害賠償の支払いを命じた。
ただし、判決は、原告12名(被災者単位9名)の請求について、屋外作業であることや、建材の到達が認められないとして請求を棄却した。
2 本件判決は、最一小判令和3年5月17日及びこれまで各地で積み重ねられてきた判決によって確立された、建材メーカーの警告義務違反を理由とする損害賠償責任及び、職種や現場数、マーケットシェアなどから、個別の被災者ごとに損害賠償責任を負う建材メーカーを特定するという判断手法に則った判決として理解できるものであり、一定の評価もできる。また、従前の一部の判決で見られていた、責任期間以前の石綿ばく露をもって減額するという不当な判断手法がとられなかった点、解体改修へのばく露をもって減額はされているが、その幅は一定した10%にとどまっていることも一定評価できるものである。
もっとも、以下のとおりの課題も残っている。
(1)建材メーカーとの関係では、屋外作業あるいは解体作業に従事した被災者について、建材メーカーの損害賠償責任が否定されている。本訴訟においても、前記最高裁判決には反映されていなかった諸資料を提出したものの、これにほとんど言及することなく、いずれも責任を否定しているもので、到底容認できない。
(2)シェアについて、吹付材のシェアによる認定をほとんど行わず、実態として重大な被害を与えている吹付材に係る責任を十分認めておらず、この点も容認することはできない。
(3)国の関係では、電工類似の作業を行っていた劇団員について、劇団員一般の危険性を論じて危険性を否定するに留まり、建設作業類似の作業を行う労働者について、建材の使用に伴う危険性の判断を求めた原告の主張に正面から向き合わないものであった点についても到底容認できない。
3 現在も各地において建設アスベスト訴訟が提起され、たたかわれている。その一方で、被災者は疾病に苦しみ続けており、本件訴訟係属中にも、原告である被災者で亡くなった者もいる。
少なくとも本件判決で認められた部分は、これまでの訴訟の積み重ねによるものであって、被告メーカーらにおいては、無用な控訴など行わず、被災者の救済につとめるよう、強く求める。あわせて、今回責任が認められなかった企業も、個別の原告との関係で責任が認められなかったにすぎないのであるから、被告らを含めたすべての石綿含有建材を製造・販売した建材メーカーに対し、早急に被害者を広く救済する制度の創設をすることを強く求める。
4 当弁護団においては、建材メーカーを相手取った横浜地方裁判所において継続中のもう一つの建設アスベスト訴訟のほか、東京地方裁判所において、造船アスベストにかかる国家賠償請求訴訟を提起している。
当弁護団は、本判決をうけて、今後、すべての石綿による被害が救済されるよう、活動していく所存である。
以上